車載制御開発シンポジウム2015

- Symposium on Automotive Embedded Systems Development -

日時 日時2015年10月9日(金) 9:45-17:30 (受付開始 9:00-、懇親会 17:45-)
会場 東京コンファレンスセンター品川

今日の自動車には、あらゆる部分に組込み制御システムが使われています。それにより、車はより安全で快適になり、厳しい排ガス規制を順守し、さらに電化や自動運転などのトレンドに対応することも可能になります。
一方で、組込みシステムの複雑性に対処するための開発プロセスや手法を迅速に取り入れることが大きな課題となっています。
また、組込みセキュリティを搭載したインフォテイメントやその他の車載システムなどによるコネクティビティの増加は、車載組込みシステム設計に新たな課題をもたらしています。

イータスが主催する車載制御開発シンポジウムは、車載組込みシステム開発に関するトレンド、手法、最新技術などについての情報を交換を目的としています。
自動車メーカー、サプライヤーおよび関連エンジニアリング企業などの役員、管理職、技術専門職の方々を対象とした内容となっております。
日本と欧州の自動車業界を代表する著名な講演者をお招きし、2つの基調講演とそれぞれ6セッションからなる2つの分科会を予定しております。
一方の分科会では、パワートレイン向けキャリブレーションの進歩について、特にモデルベース適合や実験計画法(DoE)などに焦点を当てます。
もう一方の分科会は、仮想化やXiL(X-in-the-Loop)などのモデルベース設計や組込みソフトウェア開発をメインテーマとし、組込みセキュリティや組込みソフトウェアアーキテクチャについても取り上げます。

 プログラム概要

午前
9:00-11:40
開場(9:00)
開会の辞
(9:45-10:00)
イータス株式会社 代表取締役社長 ウォルフガング・シーネル
基調講演1
(10:00-10:40)
「Future of mobility」
The future of the mobility will be electrified, connected and automated. Automated and connected driving makes road traffic more efficient and above all safer. Complexity of embedded systems will increase significantly and the connectivity which is needed for the future mobility solutions will challenge the system design regarding security aspects. To cope with this challenge, technical solutions have to be developed, but also processes and standards have to be adapted or established.
Dr. Dirk Hoheisel
Member of the Board of Management
Robert Bosch GmbH
基調講演2
(10:40-11:40)
「内燃機関研究開発におけるMBDプロセスへの取り組み」
環境要求の多様化に伴い自動車の研究開発の難易度も増大しており、高精度で高効率な開発プロセスが求められている。 本稿では、内燃機関に求められる要求の変化を俯瞰し、MBDの活用事例と将来の発展性を紹介する。
新里 智則 氏
株式会社本田技術研究所 上席研究員 
休憩(ホワイエにて立食形式のご昼食を用意しております)
午後
13:00-17:30
【分科会A】
~パワートレインの設計・開発手法の進歩について、自動車メーカーの視点から
(キャリブレーションを中心に、車載制御設計・開発の最新技術動向)~
【分科会B】
モデルベース設計、組込みソフトウェア、組込みセキュリティなどについて~
セッション1
(13:00-13:40)
「高度なシステム開発とそれを支えるモデルベース開発」
車両システムは、複雑、巨大化しつつ、高度な機能を実現してきた。その進化は今後ますます加速する。このような高度なモノづくりを短期間で成し遂げるには、 モデルベース開発が必要不可欠となってきている。 モデルベース開発で目指すこと、実現できたこと、これから実現すべきこと、を説明し、モノづくりのあるべき姿を展望する。
原田靖裕 氏
マツダ株式会社 統合制御システム開発本部 本部長
「MBDは進んだか? - 次世代への期待と課題」
MBD技術はおよそ20年の歴史を経て発展普及してきた。本講演では国内のvECU-MBD WGや学会委員会での活動を振り返り、次世代に向けたMBD技術の発展方向と課題を議論する。
於保茂 氏
日本工業大学 電気電子工学科 教授
学術博士
セッション2
(13:40-14:20)
「モデルベース適合による高度化するエンジン制御への対応」 適合パラメータが爆発的に増加、複雑化しているディーゼル機関の制御において、モデルベース制御は不可欠となっている。本講演では、リーンNOx触媒の制御システムを例に、モデルベース制御の有用性について紹介する。
木村修二 氏
日産自動車株式会社 部長
工学博士
「Automotive E/E architecture toward 2020」
2020年に向けて、電動化・自動化・コネクテッドのキーワードのもとに、自動車システムへの新規要求はますます高度化・複雑化していく。そんな中、すでに、現在のE/Eアーキテクチャーでは、新しい機能を取り込む限界を迎えつつある。
今回は、新世代のE/Eアーキテクチャーはどうあるべきか、また、そのアーキテクチャーを支えるボッシュの技術について解説を行う。
越智 純一 氏
ボッシュ株式会社 自動車システム統合部 部長
セッション3
(14:20-15:00)
「トヨタMBD技術開発の取組み」
MBD技術開発及び社内展開が、次のフェーズに入ってきた。トヨタでのMBD技術を振返りながら、うまくいったところ及びうまくいかなかったところを明らかにし、今後展開されるMBDの方向性について報告する。
石崎直哉 氏
トヨタ自動車株式会社
ユニット先行制御システム開発部
シミュレーション技術開発グループ グループ長
「Virtualization as key for efficient development of embedded automotive systems - Chances and challenges of XiL」
The increasing product complexity and number of variants as well as customer’s and legislative demands to optimize product quality, safety, security, and environmental impact are key challenges for today’s automotive industry. At the same time, OEMs and Tiers are constantly exposed to cost and time pressure which requires continuous improvements of the development efficiency. One approach to accomplish these challenging goals is the establishment of frontloading through virtualization, i.e. the idea of shifting development tasks to early stages of the development cycle by fully or partially simulating or emulating the mechatronic system and its environment. Within this scope, the basic principles as well as the chances and challenges of XiL–based (model-, software-, and hardware-in-the-loop) development along the V-cycle are discussed and exemplified in the presentation. Tobias Kreuzinger
イータス株式会社テクニカルセールス&サポート部
Test & Validation Solutions マネージャー
休憩(ホワイエにコーヒー等のお飲物を用意しております)
セッション4
(15:30-16:10)
「モデルベースの過去、現在、そして未来」
トラック、バスのメーカーとして、適合だけでなく設計も含めた制御開発に対するモデルベースによる取り組みについて、過去を振り返りつつ今後への提言を行う。
成田洋紀 氏
日野自動車株式会社 パワートレーン企画部
制御先行設計グループ グループ長
「数理技術によるモデルベース開発の進化を目指して」
より一層の進化が求められているモデルベース開発に対して、XiL の高効率化等の数理技術によるアプローチを続けている。 本公演では、プラントモデリングを中心としたソリューション、今後の取り組みについて紹介する。
岩ヶ谷 崇 氏
サイバネットシステム株式会社
システムCAE事業部 技術部 Maple技術グループ 兼 戦略マーケティング部 研究開発グループ グループ長
セッション5
(16:10-16:50)
「モデルベースエンジン適合のための境界把握試験を統合した高効率オンラインテスト計画算出手法の開発」
本講演では、モデルベースエンジン適合プロセスにおいて高精度なモデルを効率よく生成するオンライン・イタレーションテスト計画手法の実装事例および新手法を紹介する。
福原健人 氏
Senior Research Engineer, Development Methods、
IAV GmbH
「デンソーにおけるモデルベース開発の取り組み」
車載システムの大規模化と複雑化に伴い、モデルベース開発の導入が進んでいる。本講演では、自動車業界の動向を踏まえた弊社の活動事例と今後の取り組みについて、MILS環境を中心に紹介する。
田代宏 氏
株式会社デンソー
電子基盤システム開発部 モデルベース技術開発室 開発2課長
セッション6
(16:50-17:30)
「How DoE is applied by Renault to keep under control tuning development duration. Overview of different cases」
The coming Euro6c emissions regulation together with the CAFE goal to reduce CO2 while decreasing the time to market of our new vehicles and keeping their development cost under control are strong inducers for change. We will focus here on ways to keep the tuning development duration sensibly the same while depollution norms are getting more severe. The use of DoE is a key point to reach these goals. Two examples will be studied. One consists in replacing many local DoE by a global DoE to achieve the correct tuning for a Diesel engine. Another is dedicated to the automatization of the calibration process of a kinetic reaction model representing a tree way catalytic converter. Well-designed DoE tools prove to be very helpful to increase the efficiency of the overall tuning process and hence keeping our development cost and duration stable.
Dr. Eric Magère
PhD – Ing. , Control and tuning, System simulation,
Renault
「ルネサスエレクトロニクスの車載制御機能安全とセキュリティーの取り組み」
高度運転支援、自動運転に向け益々高度かつ複雑化する車載制御システムを実現するために、パワートレインからボディアクチュエータまで適合できるMCUシリーズの機能安全およびセキュリティーの取り組みと今後の展望を解説する。
伊東 良高 氏
ルネサスエレクトロニクス株式会社
車載制御第二事業部 副事業部長
17:45-19:45 懇親会
は英語による講演ですが、同時通訳がつきます
ご休憩中、セッションの合間にはホワイエでの展示をぜひご覧ください。多様な展示企業様による、車載制御からその他自動車に関わる様々な最新テクノロジーをご紹介しています。

シンポジウム前日の10月8日(木)13:00-18:00 には、より専門的な内容にフォーカスした、「専門技術セミナー」の開催も予定しています。

 専門技術セミナー

概要 車載生業開発のツール・ソリューション・手法などについての、技術的により深く具体的な内容についてのセミナーとなります。モデルベース開発と組込みセキュリティについて取り上げるセミナーAと、キャリブレーションの進歩についてフォーカスするセミナーBの2種類のトラックを用意しております。技術専門職や学生の皆様にお役立て頂けるプログラムを企画しておりますので、是非ご聴講下さい。
日時 2015年10月8日(木) 13:00~18:00
会場 品川インターシティ会議室4&5
セミナーA
モデルベースデザインと組込みセキュリティ
セミナーB
パワートレインキャリブレーション(適合)の進歩
乗用車の複雑とコネクティビティの進化に伴い、車載組込みシステムにとってセーフティだけでなくセキュリティも重要になっていますシステム全体のセーフティとセキュリティを実現するためには、包括的かつ統合的な設計アプローチが求められます。本セミナーでは組込みセキュリティとモデルベースでデザインの個々の側面についての概要を説明します。
モデルベースデザインについては、開発プロセスを通してシームレスな評価を行うことができるXiL(X-in-the-loop)のコンセプトを紹介します。プラントとECUの仮想化によって、開発早期の評価が可能になります。XiLアプローチの利点を享受するために不可欠な仮想ECUは、標準化されたAUTOSARソフトウェアアーキテクチャによって容易に作成できます。
車載セキュリティはVサイクルの左右両側に関わります。Vサイクル左側では、AUTOSARなどの既存の規格が、コストパフォーマンスの高いセキュリティの鍵となります。Vサイクル右側では、機能や安全性試験のための従来のテストツールセキュリティ特性のテストを組み込まなくてはなりません。開発・テストツールに密に取り入れることで、セキュリティテストのフロントローディングが可能になります。仮想ECUとモデル、または実ECUとソースコードを使用して、開発のどの段階でもシームレスにセキュリティの実行と評価ができるようになるのです。
排ガス規制の強化や、小型化・電装化などの技術トレンドと相まった車両バリアントの増加により、パワートレインの適合作業は新しい課題に面していると言えます。控えめに推定しても、従来の手法やツールチェーンのままでは、2020年までに適合工数は現在の2倍になると予想されます。
この状況に対応し、効率性を向上するための鍵となるのは、モデルベース適合、ガイド付き適合や自動適合などの先進的な適合手法です。特に欧州ではこれらの適合手法が既に広く取り入れられ、上記の要因にも関わらず、新システムの開発サイクルをスピードアップしています。日本でも先進的な適合手法が徐々に広まりつつあります。本セミナーでは、先進的適合手法について詳しく論じます。

主催・運営事務局
イータス株式会社
横浜市西区みなとみらい2-3-5 クイーンズタワーC 17F
TEL:045-222-0943
E-mail:Symposium2015.JP@etas.com

 お申込み / お問合せ

専門技術セミナーにお申し込みの場合は、AかBのいずれか一方のみをお選びください。
車載制御開発シンポジウムと専門技術セミナーの両方にお申し込み頂くことは可能です。

【個人情報取り扱いについて】

ご提供頂いた個人情報は、本シンポジウム・専門セミナーに関するご連絡および、主催者であるイータス株式会社が今後開催する技術イベントや、製品情報・キャンペーンのご案内などを差し上げる際の参考とさせて頂きます。 原則として取得した情報は上記目的以外の利用、また第三者への開示や提供は致しません。個人情報の取り扱いには十分に注意し、個人情報の保護に関する法律その他の関連法令を遵守し、厳重に管理いたします。

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