日頃よりお使いいただいております製品について、お客様からのお問合せをお受けしています。今回は、凍結乾燥機シリーズ「FD・FDS・FDU型」についてご紹介いたします。
▼Q1. 凍結乾燥にはどのようなサンプルが適していますか？
A1. 水系サンプルです。
サンプルを凍らせた状態で水分を除去し乾燥させます。
そのために予め凍らせたサンプルが基本になります。
有機溶媒、含有しているサンプルは高真空下での有機溶媒の沸点が凍結乾燥機のトラップ温度以下になることもあるので、捕集ができずにサンプルが融けたり、真空ポンプに有機溶媒が吸い込まれて真空度の維持ができないばかりか、耐溶媒性の不足から接液材質の劣化が生じて装置の故障に繋がる恐れがあります。
※あらかじめ水系溶媒に置換させたりエバポレーターなどで有機溶媒を除去してから凍結乾燥を行なってください。
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▼Q2. 凍結乾燥機の 機種選定方法 を教えてください。
▼Q3. 凍結乾燥の工程で 注意 することはありますか？
A3. 真空ポンプと冷却トラップ装置をご用意ください。
サンプルが融けた場合は乾燥形状が凝縮したり発泡したりします。生体試料などは組織が破壊されることもあります。凍結乾燥瓶や試料フラスコなどを使用している場合には、融けて再凍結(自己凍結)した時に容器が割れ、飛散する危険があります。また、サンプルが融けたときの水分などが真空ポンプに吸い込まれて真空ポンプの事故原因になります。
※凍結乾燥時のポイント
【サンプル】
塩や糖成分を含む場合は濃度を薄めておく必要があります。
【予備凍結槽】
容器内側に広く表面積がとれ、厚みが薄くなるように容器を回転させながらサンプルを凍らせます(凍結乾燥瓶、試料フラスコ使用時)
【一次乾燥工程】
加温をしすぎないようにします。生体試料や塩・糖濃度の高いサンプルは共晶点以下で乾燥を行ないます。
◎試料フラスコ・凍結乾燥瓶の予備凍結の実施方法の動画はこちら
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▼Q4. サンプルの乾燥はどのように確認しますか？
A4. 乾燥途中は水分が昇華することによって装置内の圧力(真空度)が上がっています。
乾燥が終了して昇華する水分がなくなると装置内の圧力は下がり、無負荷時の真空度に戻ります。サンプル内の結合水を昇華させて、より水分の少ない乾燥試料を得るためには、この状態で更に数時間運転を継続してから終了させます。
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▼Q5. ノンフロン対応 の機種はありますか？
▼Q6. 凍結乾燥中に凍結乾燥瓶が割れて飛散するのを防ぎたいのですが。
A6. 飛散防止用コーティングを施したガラス容器「EYELACOAT®」を用意しています。
耐熱温度は−80℃から対応しているので予備凍結も行なえます。
※減圧状態でガラスが破損した場合には、容器内に入った空気が瞬時に外側に向かいガラス片を飛散されるので、使用されるガラス容器は使用前に「ひび」や「欠け」が無いか必ず確認してからご使用ください。また、飛散防止用コーティングを施せば万一の破損の場合でもガラスが飛散するのを抑えます。
◎「EYELACOAT®」の詳細はこちら
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▼Q7. 凍結乾燥機で酸を含んだ試料を使用できますか?
A7. 特注で耐食仕様を製作いたします。
FDU型シリーズでは酸で腐食する可能性のある本体トラップ部をテフロン®コーティング、多岐管(オプション)をチタン製で製作いたします。凍結乾燥機は食品や生物系以外に機能性材料などの分野でも多く使用されています。試料には調整時や抽出時に使用される酸や有機溶媒が含まれた状態が多く、水に置換する操作がありますが、操作を省略して使用されるケースがあります。このような場合は、一部の材質を耐食仕様に変更が可能です。
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A5. 小型凍結乾燥機 FDS-1000・2000型になります。
