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【徹底解説】ウルトラTNスクリーンで水処理コストダウン!
今回は当社で長年ご愛用頂いているウルトラTNスクリーンがどういう目的・用途の装置で、一体どのような経緯を経て開発されたのかをご紹介します。今回のコラムで、ウルトラTNスクリーンへのご理解をより一層深めていただければ幸いです。
私たちは、河川の水や地下水を生活・産業のための用水として活用し、利用し終えた水は再び河川や海等の自然環境に放出しています。当然、私たちはこの循環の中で生活する以上、排水からは汚染物質を極力取り除き、環境への負担を減らす方法を考えなければなりません。
水処理には様々な手法が存在しますが、大別すると 「物理処理」や「生物処理」、「化学処理」などといったものがあります。
簡潔に言えば、「物理処理」とは網や膜によって物理的にゴミを回収する方法、「生物処理」はバクテリアによって水中の有機物を分解し浄化する方法(いわば自然の浄化作用を利用したもの)、「化学処理」は紫外線による殺菌や凝集剤を利用するなど、化学的に水の浄化を行う方法です。
一般的に、水処理はこれらの組合せによって行われます。

当社のウルトラTNスクリーンが活躍するのは、 これらの処理の初段階である「物理処理」の工程です。
この工程で、ある程度の液中の固形物を回収することにより、後段に控える「生物処理」「化学処理」の負担を減らすことが期待できます。
ウルトラTNスクリーンはこの「物理処理」の工程においてその真価を発揮します。
さて、前置きが長くなりましたが本題に入りましょう。
ウルトラTNスクリーンは、簡潔に言えば「液体中に混在している固形物(夾雑物)と液体を分離させる装置」です。これを固液分離といいます。 多くの工場や製造所などで、排水の 1 次処理用の分離装置として導入されています。
◆ ウルトラTNスクリーンで、水処理のコストダウン
ウルトラTNスクリーンは生物処理の名わき役
多くの水処理装置では、「生物処理」という方法を使い汚水を浄化しています。「生物処理」は前述の通り、微生物が有機物を分解(つまり食べる)ことによって水を浄化させます。微生物に効率よく分解してもらうためには、継続的に酸素を供給し、微生物が仕事をしやすい環境を用意してあげなければなりません。ばっ気を行う ためにはエネルギーコストがかかってきますし、浄化の過程で発生した汚泥を回収し脱水するのにもコスト・人手が必要になってきます。
ウルトラTNスクリーンは流入する排水中から固形物を回収しておくことによって、微生物が仕事をしやすい環境を整えています。微生物が効率よく浄化をしていけば、それだけ処理にかかるコストを減らしていけることになります。
もしも、ウルトラTNスクリーンがなかったら
もしも、ウルトラTNスクリーンが水処理工程に存在しなかったらどうなるでしょうか?
製造工程から排出された汚水中にある固形物は、回収されることなくそのまま処理装置に流入します。
もちろん、それだけの有機物を分解しきるのには時間もかかります。微生物が食べきれなかった物は汚泥として残りますから、これを回収する費用や人手もかかってきます。
処理効率を維持するにはより大型の装置にアップグレードする必要もあるでしょう。そうなれば設備の導入費や工事費など、かかる費用はどんどん膨れ上がっていきます。
ウルトラTNスクリーンがあるおかげで、水処理の負担減
ウルトラTNスクリーンは流入する汚水から固形物を回収する わけですから、次工程の微生物は小さな固形物を分解するだけで済み、浄化はスムーズに行えます。また、装置内に溜まる汚泥の量も抑え、回収・脱水のコスト低減にも活躍しています。
◆ ウルトラTNスクリーンの持ち味
ウェッジワイヤースクリーンは固液分離に理想的!
ウェッジワイヤースクリーンとは、 逆三角形断面の異形ワイヤーを等間隔に並べて作られた金属製の篩(スクリーン)です。 ウルトラTNスクリーンはこのウェッジワイヤースクリーンを利用し液中の固形物を回収します。このスクリーンは脱水能力に優れており、尚且つその構造から、目詰まりを起こしにくいという固液分離に理想的な特徴を持っています。材質は主にステンレス製であり、補強材となるサポートロッドと全点溶接されているため、頑丈で破れにくく、長寿命なのも魅力の1つです。
ウルトラTNスクリーンでは、スリット幅2㎜~0.1㎜までのものをご用意させていただいており、その他にもお客様の必要に応じたものをご提案できます。
単純構造で長寿命 保守点検もラクラク!
ろ過に際して加圧を行う必要もなく、重力落下のみでろ過することができ 、基本的に動力を必要とせず、 簡易的な清掃などのメンテナンス行えば長期間使用できます。オプションのノズルユニットを使用すれば、頻繁にスクリーンの清掃を行う必要もありません。単純構造なので、設置も簡単で汎用性が高いです。
固液分離の秘訣は「フラットシーブの原理」
「液体がウェッジワイヤー表面を流れ落ちるとき、スリットを通過する固形物の大きさはスリットの幅より小さい」という原理を利用し、高い固液分離性を実現しています。
当社では、これを「フラットシーブの原理」と呼称しております。
◆ ウルトラTNスクリーンはこのような現場に導入されています!
ウルトラTNスクリーンは主に食品工場・飲食店・農畜産場・ 下水処理施設などの現場で、 排水の物理処理に活用されています。また、化学プラントでは、例えば合成ゴム・樹脂ペレット(プラスチックのビーズのような物)等の製造現場の生産工程にも導入されており、排水処理に留まらず、分離分級・濃縮・回収といった活用方法も可能です。
◆ 最後に…
昭和47年に開発されたウルトラTNスクリーンは、令和4年には開発50周年を迎えようとしています。次回の配信では、ウルトラTNスクリーンを開発するに至った経緯や秘話などをお話ししたいと思います。また、今回の内容についてのご質問や製品カタログ請求、具体的なご相談などございましたら下記よりお気軽にお問合せくださいませ。

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