蓄電システム、UPSなら電源装置の専門メーカーYAMABISHI


コロナワクチンを停電から守れ!
~10倍以上の問い合わせの中、 YAMABISHIの無停電電源「YSB」を届け続けるための奮闘記~

コロナワクチンを停電から守れ!
~10倍以上の問い合わせの中、 YAMABISHIの無停電電源「YSB」を届け続けるための奮闘記~

電源装置メーカのYAMABISHIにはYSBという長時間バックアップ専用の無停電電源装置(以下、UPS)があります。 蓄電池を搭載した電源装置で、停電時には蓄電池から電気を供給することで様々な電気機器を長時間使用することができます。 2017年に医療機関、研究所、オフィスなどの防災対策として開発された製品で、小さな施設であれば全体をバックアップして、事業を継続させることもできます。

YSB-5KC"
<YSB-5KC(キャスタータイプ)>
        
全国の自治体から通常の10倍以上の問い合わせ

「今度コロナワクチン用のディープフリーザーがうちの市に入ることが決定しまして、それを停電時にバックアップできるものがYAMABISHIさんにあると聞いて…。」
コロナ禍に苦しんだ2020年、救世主として大きな期待を寄せられるワクチンの動向が注目される師走頃、ワクチンを保管するためのディープフリーザーが国から全ての市区町村に支給されることが発表された。
各自治体において急ピッチで接種体制の準備が進められる中、2021年初からこのフリーザーの停電時の対策について自治体からの相談が相次いだ。大規模な災害等によりフリーザーが長時間停止してしまうと、中に入っているワクチンが使用できなくなってしまうためだ。
問い合わせは1月下旬から急増した。
「夜中や休日に停電しても、人が来るまでの1日程度バックアップできるものが来週までに欲しいです。」
自治体の方々からの切実な想いを受け、コロナ禍におけるYAMABISHIの使命はこれだと感じた。YSBを一台でも多く、早く、お客様にお届けし停電からコロナワクチンを守るための闘いが始まった。


様々なシチュエーションを想定して開発

YSBの開発コンセプトは災害時の電力確保と事業の継続だ。
地震、台風や大雨、洪水等の自然災害が激甚化し、長時間停電が当たり前のように起きてしまう今の日本。YSBは一般的なUPSが使用される短時間の停電ではなく長時間の停電専用UPSとして、防災対策が必要な自治体や病院向けに開発された。

一口に電気機器と言っても電気の特性はまちまちだ。
病院の保冷庫や、オフィスのプリンタ、エアコン、複合機、ウォーターサーバ等はモータやコンプレッサを内蔵しているため、起動時等に大きな突入電流が発生する。

例えば定格電流4Aのフリーザーでも突入電流が50Aに達してしまうケースでは?その50Aに対応したUPSを選ばないと突入電流発生時に過電流エラーとなり、UPSやフリーザーが停止・故障してしまう恐れがある。

YSBは定格電流50A(1分間は60A)の高出力のため突入電流が発生する電気機器でも安心して接続できるよう開発された。さらに最大4ユニットまで蓄電池を増設できるため、非常用電力の基準となる72時間(3日間)の電源確保も実現できる。


最適な筺体の設計に奮闘

設計グループ 吉田
<設計グループ 吉田>

防災対策の製品である以上、どんな時に停電になるかを徹底的に考え抜いた。
長時間停電は大きな災害とともにやってくる。設計グループの吉田は耐震性と利便性を両立した筺体の構造に頭を悩ませた。
3D設計を基に関係部署と話し合いを重ね、最適な配置検討を繰り返す日々。納得のいく形になるまで数ヶ月を要した。






YSBスリムタイプ
<YSB(スリムタイプ)>

スリムタイプでは、浸水しないための底上げ、かつ、筺体がスリムすぎるがゆえに耐震強度を保つために苦労した。デザインはクリニック等の設置場所でも空間イメージを崩さないように配慮した。











3dモデル
<3D上で握りこぶしに見立てたモデル>
もう一方のキャスタータイプは、壁付け設置を可能にするために排風を通線側に移動する工夫などを加え、試作機の製作にたどり着いた。吉田はできる限りコンパクトな筺体にする為、3D上で握りこぶしに見立てたモデルを作成し、配置を設計する。
しかし、実際に試作機を製作する場面では、組立グループから
「こんな狭いとこ配線できない」
「手がはいらないよ」
と指摘されてしまう。
ものづくりに関わる各部門の意見も取り入れながら、製品化は進められた。



タコ足配線による事故を防ぐために

YSBスリムタイプ
<YSBオプションのテーブルタップ>

2020年入社の柳原は、設計グループで働いていた。
自治体に納品するYSBの準備を進めていた最中の2月末、「ワクチン1,000回分が使用できなくなった」というショッキングなニュースが飛び込んできた。原因はタコ足配線による電力不足でフリーザーが正常に稼働できず、庫内の温度が上がってしまったからであった。

もともと4口のテーブルタップがつくことになっていたYSB。
コンセントが4口あると、つい他の機器もつないでしまうことが懸念される。YSBは高出力5kVAのため同様の事故は考えにくいが、 100%発生しないとは言いきれない。
「テーブルタップは4口ではなく1口のものに変更しよう。」
コロナに打ち勝つための貴重なワクチン。
今は小さなリスクすら避けなければならない。
テーブルタップの設計変更にとりかかったのはニュースの流れた当日であった。



部品がない

YSBスリムタイプ
<ものづくり課高橋とYSB>

毎日のようにたくさんの問い合わせを受け注文も増えると、在庫も無くなり生産が追いつかなくなってきた。
「一部の部品が手に入らないです。」
「新しい部品メーカやネットも検索しましたが、数か月かかるみたいで。」
部品の発注担当者の一人、いつも笑顔の高橋の顔にも疲れが浮かんでいた。
何十件と電話し、何十件とメールし、部品メーカのホームページからも何十件もお問い合わせし、それでも見つからない部品があった。
もともと受注生産が中心の製品、部品のストックは多くはない。ましてや世界的な半導体不足やコロナ禍での供給停滞が、部品の入手に大きな影響を与えていた。

ここからはものづくり課総出の闘いであった。
基板実装された特殊な部品は、電気仕様だけでなく、外形寸法、ピン配置やピン間のピッチが少し違うだけで使用できない。必死に探してやっと見つけた代替部品がどの程度確保できるのか、課員総出で確認する。もちろん正常に動作するかのテストを行い、品質の確認も怠らない。従来使用していた部品の早期納品をお願いするともに、代替の部品に切り替えることが可能かの準備も同時並行で進める。
苦しい日々が続いた。

自治体には次々とディープフリーザーやワクチンが支給されている。YSBの生産台数もそれに合わせて次々と増えていった。
YSBを1日でも早く、お客様に届けなくてはいけない。それが我々の使命なのだ。



自治体様への納入が始まる

「貴重なワクチンを安心して保管できるようになってホッとしました!万が一停電が起きたとしても、約1日は守ってもらえるので安心です。」
長野県千曲市役所の吉迫さんは笑顔になった。
自治体の方々は、貴重なワクチンを確実に市民の皆様に届けるために日々奮闘されている。
YSBが導入されたことで一つの不安が解消された。
「10年間メンテナンスも不要だしキャスタータイプだから、コロナ禍が終わったら移設して他の施設のバックアップとしても使えますね。」

千曲市に納入されたYSB
<長野県千曲市に設置されたYSB(左)とフリーザー(右)>



みんな必死に闘っている。
我々も頑張ろう。一人でも多くの人が早く普段通りの生活に戻れるように。闘いは始まったばかりだ。
YAMABISHI は電源装置を通じて人々の求める電気を提供し社会に貢献して参ります。




▼YSBワクチンの停電対策専用ページはこちら▼
https://www.yamabishi.co.jp/ad/ysb-vaccine/


▼YSB特設ご紹介ページはこちら▼
https://www.yamabishi.co.jp/products/ups_ysb/ysblp/pc/index.html


▼長時間バックアップ対応無停電電源装置YSBシリーズの製品情報はこちらから▼
https://www.yamabishi.co.jp/products/ups_ysb/index.html


お問合わせ
電源に関するお問い合わせ